「メタボリズムの本質は、絶え間のない更新にある」
このブログだけど、すっかり「システム」について思うことや、書籍や雑誌で出会ったフレーズを紹介する場所になってしまった。まあ、いんだけど。そのうち、ブログのタイトルも変えた方がいいかもしれないなあ。
システムやルールに依存しないためには、どうしたらいいのか。とはいっても必要なシステムやルールをどう更新していけばいいのか。というのが、ここの所の課題のわけだけど。人間の社会じゃないところに、そのヒントがあったりするのを見つけるとワクワクするとともに、興味がつきない。
ということで、今回も生物学者の福岡伸一先生のフレーズです。
おととい(11月22日)の読売新聞夕刊に掲載されていた福岡さんのコラム。この日のタイトルは『カッコいい新陳代謝』。コラムは、メタボリック・シンドロームについての記述から始まる。
「メタボリックは、もともとメタボリズム(新陳代謝)から来ている。だから、メタボという言葉自体には、もともと否定的な意味も、恥ずかしい感覚も含まれていない」
メタボリックというのは、新陳代謝のことだったのだ。知らなかった…。
そして冒頭に紹介した「メタボリズムの本質は、絶え間のない更新にある」と述べる。
ここでも「更新」というフレーズが出てくる。やっぱり「更新」なのである。
「メタボは心配するまでもなく、常に自ら更新し続けてくれる。それは細胞の中に必然的に溜まるゴミ=エントロピーを捨て続けるためであり、それこそが生命現象の本質である」
つまり、生物というものは、自らの体(システム)を維持していくためには、更新し続けることが必要、ということなのである。更新することによって、不必要になったもの(エントロピー)を捨てる。つまり「掃除」である。それを続けることで、今の体に依存することなく、いつの間にか新しい体(システム)を手に入れていくということなのだろう。
その辺にいる小さな生き物も、そうやって生き延びているわけだ。ふむふむ。
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