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2013年3月 6日 (水)

「スポーツ指導の現場に一番足りないのは、DIVERSITY(多様性)」。

先ほどの文章への追加。さっき、今日の毎日新聞夕刊(3月6日)を読んでいたら、ラグビーの大八木淳史さんが「体罰」について語っていた。いろいろ印象的な言葉があったので追加して紹介したい。大八木さんは今は、芦屋学園中学・高校の校長先生をしているとのこと。教育者でもあるのだ。知らなかった…。

まず桜宮高校バスケ部の体罰問題について。 

「勝利至上主義が生んだ暴力であり、指導法として間違えている」 

そして、体罰問題そのものに対して、次のように語っている。

「今の体罰論争もおかしい。体罰を定義しないまま、誰もが勝手なイメージで『体罰反対』『愛ある体罰はOK』と言っている。これでは答えは出ない」 

「体罰の歴史と目的を理解しないと。体罰は明治時代以降の富国強兵に使われた。目的は強い軍隊、つまり国益。では今は? スポーツ関連の国家予算を見ればわかる」

「競技スポーツ、つまりメダル獲得プロジェクト。これも国益やないですか。富国強兵時代と一緒。国益や学校のブランド力のためのスポーツだから体罰が生まれる」
 

やはり「歴史」を理解することが大事なのである。(これは、今年1月8日のブログで紹介した言葉につながる)

そして大八木さんが「スポーツ指導の現場に一番足りないのはこれや!」と指摘するのは「DIVERSITY(多様性)」。ここで思い切り肯首してしまった。「その通り!」と叫びたい感じ。 

「まず、女性をもっと登用し、女性の視点を入れること。ナショナルチームの体罰問題を最初に訴えたのは女子柔道でしょう? それから指導者の視野を広げること。桜宮高の件でも、バスケしか知らん指導者と強豪チームを求めて入部した生徒が集まれば、価値観はバスケ一色。勝利至上主義に陥って当然。スポーツ指導者は年に1〜2カ月程度、現場を離れ、社会学や心理学など別の学問や価値観を学ぶ仕組みが必要なんです」

すがすがしささえ感じた良いインタビュー記事だった。大八木さんの指摘は、まったくもって的を射ていると思う。


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