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2013年5月 8日 (水)

「相手と自分の違うところ、相手の言動のよく理解が及ばないところは、とにかく面白がるところです」

4月25日のブログ翌26日のブログでは、「これからは価値観が異なる相手とのあいだに小さな共通項を見つけてうまくやっていくことが大事になる」「それは結婚に似ている」というような内容の言葉を並べてみた。新たに同じ指摘をみつけたので、追加として載せておきたい。

ノンフィクションライターの高橋秀実さん著書『男は邪魔!』のなかに、結婚ということについての次の言葉を見つけた。

「価値観も違って当たり前。価値を見いだす対象が異なるのかもしれないが、違うから合わせようとする。違いあっての合わせる努力ということで、それこそが愛。ひいては結婚というものではないだろうか。不自然かもしれないが、不自然だからこそ努力する甲斐があるのではないか」 (P75)
 

そして前回も取り上げた内田樹さん『「正しいオヤジ」になる方法』の中でも、次のように語っている。

「相手と自分の違うところ、相手の言動のよく理解が及ばないところは、とにかく面白がるところです。『ああ、妻はこんなことを考えていたのか!』って、驚く」
 

自分の体だってそうじゃないですか。勝手なリズムで動いて、勝手に眠くなったり、お腹が空いたりして、勝手に衰えて、勝手に病んで、勝手に死んでしまう。自分の身体でさえ意のままにならないんですから、他人においておや、です。配偶者も、そんな意のままにならない自分の体の延長みたいなものだと考えてればいいんじゃないですか」 (P124)

価値観が違い、ままならない、コントロールが効かない相手とうまくやっていく。すなわち「結婚」というものと、「社会の人間関係」との共通点は多いということ。ほんと、そう思う。

もうひとつ追加。マイケル・サンデルさん著書
『それをお金で買いますか』のなかで、次のように書いていた。

「民主主義には完璧な平等が必要なわけではないが、市民が共通の生を分かち合うことが必要なのは間違いない。大事なのは、出自や社会的立場の異なる大人たちが日常生活を送りながら出会い、ぶつかり合うことだ。なぜなら、それがたがいに折り合いをつけ、差異を受け入れることを学ぶ方法だし、共通善を尊ぶようになる方法だから」 (P284)

価値観の違う人がぶつかりあい、共通項をみつけて折り合っていく。個人的には「折り合い」という言葉は好きである。


さらに追加。活動家の湯浅誠さん著書『ヒーローを待っていても世界は変わらない』から。

「問題は処方箋です。ではどうしたらいいか、でそれぞれの意見が分かれる。私には私の意見があり、別の人には別の意見がある、それがあたりまえです。逆にそうでなければ気持ち悪い。みんなが同じ意見を持っているような社会は、自由な社会とは言えないでしょう」

「だから異なる意見を闘わせ、意見交換や議論をする中で、お互いの意見を調整することが必要となります。夫婦や親子のような親しい関係でも、自分の意見や意向だけを一方的に主張し、『おれの言うことを聴かないおまえが悪い』と言い続けていたら合意形成に至らないことは、誰もが経験していることだと思います」 (P46)

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