「優先順位はその人の価値観で決まる。国がとり組む優先順位はその国の人々の価値観の反映だ」
「リスク」を前にして動けなくなってしまう傾向。これは結局、選ぶことができないことでもある。ということについて、ここ数日のブログで書いてきた。
この流れで、ボクが思っていることは「優先順位」を付けることの大切さである。社会の中の価値観が広がり、多様になり、それによって選択肢が増えていくことはとても良いことだと思う。その動きを止めていけない。
しかしその一方で、誰にも一日24時間しかないわけだし、場所も制限される。つまり、存在するモノの中から、全てを選ぶことはできない。そこで重要になってくるのが「優先順位」というやつだと思う。何から選ぶのか、何を捨て、あきらめるのか。それを判断するためにも、自分なりの価値観、美意識、状況などに合わせた「優先順位」を日頃から考えておくことが大切だと思う。そうでないと、目の前の数値やランキングに依存する体質になってしまうんだと思う。
ちょっと前、その「優先順位」についての語っている言葉を見つけたので、載せておきたい。
カウンセラーの海原純子さんが、毎日新聞9月8日で書いていた文章から。
「優先順位はその人の価値観で決まる。国がとり組む優先順位はその国の人々の価値観の反映だ。汚染水問題を最優先と考える人は少ないのだろうか。早く対策を、と叫びたくなる」
どうも日本の政治的には、いろんな政策に対して「優先順位」を付けることができていないよう。
こちらはダイブ前の新聞記事から。当時、米日経済協議会副会長のチャールズ・レイク氏は、日経新聞2011年1月9日で次のように語っている。
「日本の通商政策について、各国の目には、国家として政策の優先順位がないと映ります。経産省、外務省、農林省が独自の立場で国際交渉に臨み、大臣が3人同席しないと話ができない。これではいったいだれが日本の代表か分かりません」
この指摘を読むと、現在行われているTPP交渉も思いやられる。
さらに作家の村上龍さんも、メールマガジン『JMM』2011年1月18日で次のように書く。
「菅内閣に実行力が不足している一因は、山積みの諸問題に優先順位をつけらないことです。政治家に限らず、物事を「決断・実行」するためには、優先順位を決めることが求められます」
素人ながら当時の民主党政権の失敗については、この「優先順位」を付けられないことがすべての根源だったのではと思う。例えば、マニフェストで約束した「高速道路無料化」や「高校無償化」などを、すぐに財源がないからと取り下げた。本来、取り下げる必要はなかった。「今は財源がないから、優先順位が高いものから手を付ける。もし状況が許せば、将来、それに取り組む」と言えば、「嘘つき」呼ばわりはされなかったのではないか。
生活面での「優先順位」でいえば、日頃から、自分なりの価値観や美意識を大事にしていることが大切である。また社会や生活の中には、先人の知恵として優先順位をつけやすい仕組みがあちこちに組み込まれていたりもする。そんな話を、養老孟司さんと福岡伸一さんがしている。『せいめいのはなし』から。
福岡 「選択できないと、はたらけなくなっちゃうわけだ。どちらへ行けばいいのかわらかないから、混乱してストップしてしまう」
養老 「いちばん身近な例でいつも感じているのは右利きと左利きですよ。利き手というのは、いざというときにないと困るんですね。わかりやすくいえば、利き足がないといざというときに逃げるのにうさぎ跳びになっちゃう」 (P148)
利き手もそうだが、レディ・ファースト、弱者優先などの考え方もそういうことだと思う。考えることなく、そうすることで社会がスムーズに動くし、居心地がよくなる。だから、こういうものは大切にしなければいけないのだと思う。
自分なりの「優先順位」というもこそが、その人の価値観や美意識とイコールなんだと思う。それは、政治家や国家でも同じことなんだろう。きっと。
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