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2014年1月21日 (火)

「民主主義は感情統治」

続いて、「感情」についてもう少し考えてみたい。

 

きのう(1月20日のブログ)では、エンターテイメントやクリエイティブの世界が、「感情さえ刺激すればよい」「共感が呼べればよい」という風潮を強めている、そんな言葉を紹介した。

その結果のクリエイティブ作品の劣化。そして、その「感情」自体もどんどんダメになっているという指摘がある。

社会学者の宮台真司さんTBSラジオ『デイキャッチ』(1月10日放送)で、「感情の劣化」の問題について語っている。

「感情の劣化問題。昔、日本人の多くが持っていた心の働きが劣化してしまったので、その一方で政治の劣化をもたらし、性愛の劣化をもたらし、一方で犯罪の劣化をもたらしています。犯罪がどんどんずさん化している。それは社会の劣化も示している」

感情の劣化は、クリエイティブ作品の劣化だけにとどまらない。政治への劣化へと続いていく。

「インターネット化は民主制と両立しない。従来政治参加しなかった層がインターネット化を背景に参加できるようになった。感情の劣化がただちにインターネット上にある種の炎上現象を醸し出す。それで政治が、あるいは政治家が動かされてしまう」

 

「人々は鬱屈する。鬱屈した人々は、感情的に劣化しているので、感情の釣りで炎上させれば、社会を手当てしなくとも、政治は回る。ポピュリズムは回る。そして感情の劣化現象に適応した政治的メッセージを発しないと当選できなくなる」

完全に「劣化」のスパイラル現象である。

 

実際、政治の世界では、具体的にどんな動きが起きているか。以前書いたこのブログ(2012年7月10日のブログ) を思い出す。

そこで紹介したドキュメンタリー監督の想田和弘さんの言葉を、ここでも改めて。雑誌『世界』(2012年7月号)より

「橋下氏は、人々の『感情を統治』するためにこそ、言葉を発しているのではないか、そして、橋下氏を支持する人々は、彼の言葉を自ら進んで輪唱することによって、『感情を統治』されているのではないか」

実際に大阪市長の橋下徹氏は、かつて自身のツイッター(2012年5月10日)に、次の言葉を書いていた。

「民主主義は感情統治」

言い換えると、マインドコントロール。こわい、こわい。

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