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2014年2月13日 (木)

「この国には、いったん転がり始めたら同調圧力が強まり、歯止めが利かなくなる傾向がある」

すっかりソチ五輪で盛り上がっているようだ。ただいくら日本人選手がメダルを取ったからと言って、夜7時のNHKニュースがトップニュースで伝えるのはどうかと思う。朝のニュースの時点から結果は出ているのだから。

どうも、テレビや新聞の無理くりでも五輪を盛り上げようという空気に抵抗を感じてしまう。

そんな中、思い出す言葉。

ジャーナリストの木村元彦さんが、東京新聞夕刊(2013年7月1日)に「サッカーの国」というコラムを書いていた。その中に次の文章があった。

「大手広告代理店が展開する『がんばれニッポンキャンペーン』に、テレビ局の『絶対に負けられない戦い』という煽り。かつてナショナリズムは国家が政治利用するものであったが、現在はそれの商用利用が進む」

 

いつもの五輪騒ぎは、期間が過ぎれば消えていく。でも今年はW杯もある。そして、6年後の東京五輪まで、こんな商業ナショナリズムがずっと続いていくのだろうか。

続いて作家の半藤一利さんが、かの大戦を振り返って話していた言葉。著書『そして、メディアは日本を戦争に導いた』から。

「昭和13年ぐらいで国家体制の整備統一と強化は、大体けりがついていた。その打ち上げが昭和15年の紀元2600年のお祭り。ああいう大きなお祭りをやるということは、後ろに意図があるんですよね。国家行事には裏があると常にそう思わなければならないんだよね」 (P158)

今の
五輪騒ぎ。何か裏があるのか。それとも、その裏でこそこそ何かを進めたがる輩が出てくるのか。

その本の中から、半藤一利さんの言葉をもう一つ。 

「近代以降の歴史を見ると、どうもこの民族は他の民族よりも強くなだれ現象を起こしている」 (P92)

 

依存体質の日本だからこそ、同調圧力に弱く、「なだれ現象」が起こりやすいのだろうか。(2013年4月30日のブログなど)

それに関連した言葉も。歴史学者の加藤陽子さん毎日新聞夕刊(2013年8月22日)より。

「この国には、いったん転がり始めたら同調圧力が強まり、歯止めが利かなくなる傾向がある」

最初の五輪の話に戻るが、別にスポーツは嫌いじゃない。かなり好きと言ってもいいと思う。

ただ今のソチ五輪報道といい、東京五輪決定後の空気といい、力強くで「盛り上がろう!」という「同調圧力」が嫌いなのである。

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