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2014年2月14日 (金)

「『助け合い』と『同調圧力』の狭間で、周囲とのコミュニケーションを楽しみながら雪かきしました」

きのうのブログ(2月13日)で、「同調圧力」についての言葉を紹介してみた。今日も、そのほかの「同調圧力」周りの言葉を並べてみたい。

先週の土曜日、大雪が降った。ボクも、土曜日と日曜日に合計3時間くらい子供と一緒に雪かきをした。その雪かきについて、特定非営利活動法人「育て上げネット」の工藤啓さんが、育て上げネットマガジン(2月12日号)で文章を書いていて、興味深く読んだ。その中から。

「3時間程度でしたが、『助け合い』と『同調圧力』の狭間で、周囲とのコミュニケーションを楽しみながら雪かきしました」

「お宅はしないの?」という近所からの無言の同調圧力。それに押されて雪かきをする。その結果、得られる助け合いの感覚。この「狭間」「バランス」こそがパブリック、すなわち「公」というのものかもしれない。ただ日本には、自律的な助け合いより、同調圧力の方が強くなる傾向があるのが気になる。

コラムニストの堀井憲一郎さん著書『やさしさをまとった殲滅の時代』から。

その場にいるみんなが同じ意見になることが大事な社会では、目立つことによって利益を得ることが難しいために、個性よりも同調を強要してくる。その社会の中の教育機関だけが、個性を伸ばすことができるはずはない。社会構成員の本音を言えば、そんな教育をやられてはたまらない」 (P12)

教育とは社会の縮図の場所である。だから教育の現場でも、当然のように子供には「同調圧力」に従うことを求める。

哲学者の小川仁志さん著書『「道徳」を疑え!』で、次のように述べる。

「いま行われている道徳教育の実態は、ある意味で価値観の押しつけにすぎないからです。別の言い方をすれば、あらかじめ『正しい』とされる答えを身につけさせることに終始しているのですから」 (P3)

「誰かが正しいといったから正しいと思い込む、あるいは誰かが決まりだといったから守るようにするなどというのが道徳の目的ではないはず」 (P151)

 

これは道徳教育だけの話ではない。日本の教育の根本的な問題でもある。それについては以前のブログでも書いた。(2013年3月13日のブログ

ちなみに思想家の内田樹さんも、次のように書く。ツイッター(2013年12月31日)より。

「高校生においては相互の同調圧力が高すぎて、自分の中に発生した『それをまだまわりの誰も口にしたことのない考想や感情』をていねいに対話的に研ぎ出して、言語化する努力がほとんどされていない」

まさに社会の縮図。

「同調圧力」について、コラムニストの小田嶋隆さんは、NHK『クローズアップ現代』(1月14日放送)で、同調について次のように説明していた。

「連帯というのはお互い心を合わせることだけど、同調というのは『イヤなことは言うなよ!』とか『乱すな、言うことを聴け!』ということ」

また作家の高橋源一郎さんは、ツイッター(2013年12月19日)で興味深い言葉を書いている。

「弱い人間を責めること、力を誇示しようとすること、力で押しつけようとすること、それにも関わらず、なぜか「愛(国心)」を要求すること。それはどれもDVの加害者の特徴です」


ちょっと視点は変わるが、僕は個人的に、東日本大震災以降、もてはやされた「絆」という言葉が何だか好きになれない。ここにも何だか居心地の悪い「同調圧力」のような感覚を受けてしまうから。同じようなことを書いている人もいる。


まずは、映画監督の園子温さん著書『けもの道を笑って歩け』から。

「近年ブームの『絆』という言葉も、非常に息苦しいなあと思います。互いに絆を感じるだけならまだましも、つながらない人間はバカだと言わんばかりの“絆の連係プレー”が横行している。ひとりで居たい人間をそっと支えてあげるのも絆です」 (P22)

そして実業家の辛淑玉さん岩波書店編『これからどうする』から。

「この社会が『絆』とよぶものほど胡散臭いものはない。イジメ、体罰、事故隠し、原発マフィア、記者クラブ、男社会。これらの背後にあるのは、自らの力で考えることを放棄し、互いにもたれあって責任の所在を曖昧にし、自分たちの利益だけに執着し、異質な『他者』を排除する、閉ざされた『ムラ共同体』ではないか。そして、そんな自立できない共同体のしがらみと軛を『絆』と呼んでいるだけではないのか」 (P614)


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