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2014年3月14日 (金)

「空気を読めるやつばかりだから、役に立たない。ムラと空気のガバナンスをやっているから、どうしても危機には弱い」 

今朝(3月14日)のTBSラジオ『スタンバイ』で、森本毅郎さんが、浦和レッズのサポーターによる差別的横断幕の問題に触れて、次のように語っていた。

「熱心になって、声援も一糸乱れずに送りたいという気持ちが高ぶってくると、どうしても統制を乱す人たちはちょっとお引き取り願いたいとなる。訳が分かった人たちだけでやりたい。この気持ちが横断幕になったんだろうけど、横断幕の言葉が悪い」

「言ってみれば集団で一糸乱れずにやりたいというこの発想。個々、一人ひとりが自由に応援するとか、自由に喜ぶとかではもの足りない。これが高じると、こういう形になって、自分たちと違う人たちは全部排除と。情けない話だと僕は思いますよ」


集団。統制。一糸乱れず。そして、言葉による違う人たちの排除。これらは、今の日本の社会で、あちこちで見ることのできる構図ではないか。

同調圧力、効率化、コントロールしやすい集団、そして曖昧な言葉による「異なる価値観」の人たちの排除…。


まさに安倍政権がやろうとしている政策も含めて、この1年くらいで、急速に広まっている構図なんだと思う。

きのう聴いていたビデオニュース・ドットコム『マル激トーク・オン・ディマンド』(3月8日放送)でほとんど同じ構図について話していたのを思い出す。こちらは原発について。

ゲストとして出演していたジャーナリストの船橋洋一さんが、原発をはじめとした日本社会の問題について次の言葉で語っていた。船橋さんは、福島原発事故独立検証委員会のプログラムディレクターを務めた。

「民間事故調で『ムラと空気のガバナンス』という言葉を打ち出した。まさに空気。異質のものを認めたくない排除しようする」

「だから本当の意味での議論がなかなかできない。同質的なもの、初めから結論を分かっていて落としどころが分かっていて相場観を共有している、ということ。これは、リスクという観点に絞ってみても、ここまでにしておきましょうという、みんな言わなくても以心伝心分かっちゃう」
 (パート①27分ごろ)


「異論をあえて唱えることをダサい。KYなんだよ、読めないと。空気を読めるやつばかりだから、役に立たない。ムラと空気のガバナンスをやっているから、どうしても危機には弱い」 (パート①29分ごろ)

一糸乱れない集団。異物・異論の排除。結局、日本社会は、どこもかしこも行っても「ムラと空気のガバナンス」になってしまう。政治、原発、そして浦和のサポーターたち。

「ムラと空気のガバナンス」では、曖昧なローコンテキストの言葉が流通し、誤解や不和を広げてしまうというのは、まさに浦和サポーターがやったこと。(3月6日のブログ

上記のビデオニュース・ドットコムの番組で社会学者の宮台真司さんが語っていた次の言葉も覚えておいた方がいい。

「口火を切る。空気を破る人間が、この世界では、特に最悪な事態が起こるかもしれないときには、もっとも倫理的な振り舞いとなるということ」 (パート①6分ごろ)

何回でも書く。空気が破る。つまり、水を差すことが、もっとも「倫理的な振る舞い」となるのである。(「水を差す」

今回の浦和レッズの問題では、差別的な文字を掲げたサポーターも問題だが試合中に他のサポーターから指摘を受けたものの、何も動かなかった球団の問題もある。

これも、原発事故と重なる部分がある。上記の番組で、司会でもあるジャーリストの神保哲生さん宮台真司さんとのやりとり。

神保 「危機対応ができていないために、何が発生しているかというと。一番大事な時には非決定という、何も決めないということによる決定がなされている。で状況が流れていくということが必ず起きる」

宮台 「日本の場合は、過失不作為、みんなでやれば怖くない。明らかに過失があったんですよ。みんなが不作為なことによっておこった過失なので、責任は問えない。つまり責任はないということなる」 (パート①58分ごろ)

過失不作為。まさに「思考停止」であり、「見たくないものは見ない」「考えたくないことは考えない」問題。「集団的アインヒマン状態」ともいえる。(3月3日のブログ

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