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2014年5月20日 (火)

「彼は戦後70年間続いてきたひとつの政体を転覆して、まったく新しい政体を作り上げようとしている」

先週金曜日(5月16日)のブログでは、その前日に行われた安倍総理による集団自衛権についての会見について取り上げた。

記者会見そのものが、「エモーショナル」で、「ポエムの朗読会」のようだったという指摘を紹介し、そこから「ヤンキー」と安倍政権との重なりを少し考えてみた。

きのう、書籍『街場の憂国会議』を読んでいたら、この本の中にも同じような指摘があった。

まずは、社会学者の中島岳志さんの指摘から。

「安倍首相の口からは、バッシングと共に『感動』というタームが頻発する」 P170)

「感動とバッシングは、コインの裏表の関係である。そして、両者は空気の構成要素として、強固な力を発揮する」 P170)

さらに同書で、コラムニストの小田嶋隆さんは次のように書いている。

「私は、安倍政権の周辺で、この『ヤンキー』風の美意識ないしは気分が、力を持ち始めている感じに、以前から、不穏な圧迫を感じている」 P74)

ヤンキー風の感動とパッシングによる「力」(同調圧力)で世の中を動かしていく…。

今朝の朝日新聞(5月20日)に載っていた、その安倍総理の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の座長代理である北岡伸一氏のインタビュー。それを読んでちょっと驚いた。懇談会に反対側の人を入れない理由について、次のように答えている。

「自分と意見の違う人を入れてどうするのか。日本のあしき平等主義だ」

しかも、次のような言葉も。

「安保法制懇に正統性がないと(新聞に)書かれるが、首相の私的懇談会だから、正統性なんてそもそもあるわけがない」

堂々と答えている…。すごい、としか言いようがない。

「正統性」もない同じ意見を持つ集団によって作られた報告書をバックにして、総理がエモーショナルな言葉で世の中を動かし、憲法改正を国民に問うでもなく、国会審議を経ることもなく、国の仕組みを変えていこうとしている。 

一体、何が起きているのだろうか。

この先週5月15日の安倍総理に記者会見について、先週土曜(5月17日)の朝日新聞の投書欄では、神奈川県に住む74歳の男性が次のように書いていた。

「私たちは、この日を『5・15事件』と位置付けて、警戒を強めなければならない」

1932年の5・15事件は、海軍の青年将校が起こしたクーデター事件である。

それから32年。ボクが勝手に考えていることだが、安倍総理が就任以来進めていることは、「彼とその取り巻きによる一種のクーデター」なのではないか。マジで。これまで積み重ねてきた民主主義や立憲主義や国際常識などをひっくり返して、自分たちが考える「理想の社会」を創ろうとしているのではないか。

そう考えないと、今起きていることが理解できない。

32年前のクーデターでは、犬養毅総理が殺害されたが、今回のクーデターは、総理が中心となって進めている。

麻生副総理が去年(2013年7月29日)に口にした言葉を思い出す。

「ナチス政権下のドイツでは、憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わってナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気づかないで変わった。あの手口、学んだらどうかね」

その言葉のとおり、誰も気づかないようにして、今、安倍総理とその取り巻きによる「クーデター」が進行されているのではないか。

考えすぎだろうか。

先に紹介した『街場の憂国会議』で、思想家の内田樹さんは、次のように書く。

「安倍晋三は『保守』政治家ではない。左派が批判するような『反動』政治家でもない。『革新』政治家であり、もっと強い言葉を使って言えば、『革命』政治家である。私はそう評価している。彼は戦後70年間続いてきたひとつの政体を転覆して、まったく新しい政体を作り上げようとしている」 (P17)

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