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2014年11月 6日 (木)

「過去のデータを参考にするにしても、そこに新たな息吹を吹き込み、自分なりに加工することこそが大事なのである。そのようにして初めて自分自身の糧となるのだ」 

予測社会。その17。

「ビッグデータの最大の特徴は未来予測」と表現していた牧野武文さん。(10月30日のブログ

ビッグデータについてこんな指摘もしている。著書『進撃のビッグデータ』より。

「ビッグデータが普及し、それが正しく活用される未来は、バラ色であるということは押さえておいてください」  (P219)

本当に「バラ色」なのだろうか。そうだといんだけど…。また、この前提となっている「正しく活用」とは、どういうことなのだろうか。

岐阜大学医学部付属病院の長瀬清さんは、ビッグデータについて次のように話している。NHKスペシャル『医療ビッグデータ』(11月2日放送)より。

「こういうデータを解釈するときに大事なポイントがある。医学的には信頼・信用とは言えない。ただ活用もできるし、利用もできる。参考にもできる。これがビッグデータとのお付き合いのコツなんだと思う」

そこで、ビッグデータとの「正しい活用」「お付き合い」の仕方のヒントになる言葉を並べてみたい。

まずは棋士の方々の言葉。八段の木村一基さん『ドキュメント電王戦』より。

「コンピュータを研究のアドバイスをしてくれるパートナーと考えれば、それほど悪くありません」 (P221)

羽生善治さん。同じく『ドキュメント電王戦』より。

「人間はデータを『捨てる』のに対して、コンピュータは『拾う』ことで強くなります。これは、お互い反対方向に向かってトンネルを掘っているようなものですね」 (P46)

「人間の常識の枠組みを超えて、人間の思いつかないような手を打てるのがコンピュータです。人間の盲点や死角はコンピュータが補ってくれるのではないでしょうか」 (P47)

 「コンピュータの戦法は『6対4』の割合で『6』が優勢ならそちらを選びます。ただ、毎回その手がよいのかと言えばそうではない気がします。人間があえて訳のわからない手を打つことで、何かを生み出すことが、ごくまれにあるからです」 (P50)

渡辺明さん著書『勝負心』より。

「過去のデータを参考にするにしても、そこに新たな息吹を吹き込み、自分なりに加工することこそが大事なのである。そのようにして初めて自分自身の糧となるのだ」 (P144)

 作家の保坂和志さん著書『羽生』(文庫版)より。

「コンピュータを敵だと思っても仕方がない。自分自身の一部分を否定などできない。人間は、自身が生み出し、ますます巨大になりつつあるこの感性なき存在と共存していくしかない。将棋がそうであるように、文学も、そして私たちの日常も長い目で見れば間違いなくそうなるだろう」 (P212)

また電王戦を主催するドワンゴ会長の川上量生さん『ドキュメント電王戦』より。

「ビジネスの世界では、確立されたビジネスモデルや勝利の方程式があれば、競争相手が増えて大変です。今振り返ると、そのときに確信が持てない選択肢こそが最も良いものになったと思います」 (P50)

「実際ね、やっぱり『Google的価値観は正しい』とも思っていて。人間は単純なんですよ。人間はやっぱりアルゴリズムで規律できるんだけど、でも僕が思っているのは、いまのIT業界が思っているほど人間は単純ではない。最終的にはアルゴリズムで全部規律できるような単純な存在だとしても、まだそこまで単純ではないっていうところで、『ひと花咲かせられるチャンスがあるんじゃないかな』って」 (P241)

医療について。データの宝庫、遺伝子について豊橋技術科学大学学長の榊佳之さんは、次のように話している。NHKスペシャル『あなたは未来をどこまで知りたいですか~運命の遺伝子~』(7月7日放送)より。

「遺伝子とか、ゲノムとかは、基本設計図。家に例えていうと、その中には壁に傷があったり、柱にちょっと問題があったり、いろんな問題を抱えている。本当は、家より、家の中をどれだけ楽しくするとか、にぎやかにするとか、豊かにするとかが大事。そういったものは、実は遺伝子ではなくて、人生の中のいろんな環境であったり、友達であったり、自分の思いであったり、そういうものだと思う」

「遺伝子は、そういうものを助けてくれる材料かなと思う。遺伝子の情報を、自分の人生を豊かにするために使うのがいい」


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