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2014年12月18日 (木)

「日々放送されるニュースに対して違和感を抱いたら立ち止まって、その原因や背景を見抜くことが大切だ」

きのうのブログ(12月17日)の続き。「いやな感じ」について。

産経新聞(12月16日)で政界を引退した石原慎太郎氏のインタビューを読んだ。いくつか抜粋したい。

大阪市長の橋下徹氏については、次のようにコメント。


「彼は天才ですね」

「あんなに演説のうまい人をみたことない。言葉の調子は違うが、田中角栄だね。若いときの。それから例が良くないかもしれないけど、彼の演説のうまさ、迫力というのは若いときのヒトラーですよ。ヒトラーは後にバカなことをしたが」

「橋下徹ってのは彼に該当する政治家だ。惜しいことをしたなあ。彼は必ずもう一回でてくるだろう。再登場すると思う。させなきゃいかんですよ」


そして、中国については、例えば次のようなコメント。

「ある週刊誌のインタビューで『一番したいこと』を聞かれたので『シナと戦争して勝つこと』と。私は日本人として言った」

他の人はどんな気持ちで、この言葉を受け止めるのだろうか。

何というか、少なくとも僕はこのインタビューを読んでいると、まさに「いやな感じ」が次々と浮かんできた。

もちろん、個々の考え方は自由である。でも「公人」である人物が公の場で語る言葉としてはどうかと思う。こんな人がよく東京都知事を何期もやったり、国務大臣を務めたりしたと正直思う。

まさに「いやな感じ」なのである。

この「いやな感じ」を言い換えると、「違和感」。

今日は、「違和感」について触れている言葉をランダムに並べておきたい。

元日本テレビ記者の水島宏明さん著書『内側から見たテレビ』より。

「それを見逃さないようにするには、日々放送されるニュースに対して違和感を抱いたら立ち止まって、その原因や背景を見抜くことが大切だ」 (P59)

糸井重里さんの言葉。『ぼくの好きなコロッケ。』より。

「答えまでたどりつかなくても、考えを進化させるための『糸口』が見えてくる。『糸口』は、違和感と言ってもいいかもしれない」 (P278)

精神科医の斎藤環さんの言葉。著書『世界が土曜の夜の夢なら』より。

「『若さ』はしばしば『違和感』への過敏さでもある」 (P9)

こちらも精神科医の名越康文さん著書『本当の仕事の作法』より。

「仕事とは違和感を埋める作業なんだ」 (P22)

でも「いやな感じ」や「違和感」もほっておいては摩耗してしまう。

作家の森達也さん著書『たったひとつの「真実」なんてない』より。

「最初は『何か変だな』と思っていた人も、それを当たり前だとする人たちがどんどん増えるので、その思いを口にしづらくなる。やがてはその人自身も、何度もメディアから同じ情報を見たり聞いたりしているうちに、その『変だな』という意識がどんどん薄くなってしまう」 (P165)

そして次の平野啓一郎さんの指摘も「いやな感じ」と「違和感」につながる。
サイト『ポリタス』(12月14日配信)より。

「予兆に気づくことは難しい。しかも、予兆とは、現に事態が生じた時にしか、それが予兆であったと証明されないものであるだけに、辛うじて気づいた者たちは、必ず嘲笑を浴びることとなっている。これは、必定である」

予兆。という言葉も興味深い。予測ではなく、予兆である。この2つの違いについては改めて、後日、考えてみたい。

その予兆を知るきっかけこそ「いやな感じ」「違和感」なんだと思う。まさに「糸口」。

更に平野さんは次のように書く。

「しかし今は、その予兆に気づいている人たちも決して少なくはない。それは、先の大戦を知る人たちであり、また外国人たちである。彼らは『日本がおかしくなっている』と感じている。それは、過去の経験の故であり、また日本との距離の故である。そして、その違和感は、私たち自身の『おかしい』という実感とも合致している」

よく「社会を元気にするは“若者、バカ者、よそ者”である」という指摘がある(朝日新聞2008年3月31日)。まさに上記の斎藤環さんも指摘するように、「違和感に過敏に反応する人」たちである。

予兆に気付くためにも、社会には多様な人びとが必要ということでもある。

最後に、先日亡くなった俳優の菅原文太さんの言葉も。東京新聞夕刊(12月4日)より。

「社会におかしいことがあれば、純粋に怒れ。それが正義だ」

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