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2015年11月 2日 (月)

「ラグビーというものは時にあつれきが想像力を生みます」

ラグビーのW杯ロンドン大会が閉幕した。今回の大会は、かなり楽しませてもらった。

退任する日本代表監督のエディー・ジョーンズ氏が、日本記者クラブで記者会見(10月30日)を行った。個人的には、次の言葉が印象的だった。

「日本には、出る杭は打たれる、という言葉がある。日本のスポーツをとても表していると思う。みんな、他と一緒でいたい」

「ラグビーというものは時にあつれきが想像力を生みます」


あつれきが想像力を生む…。

これは、このブログでは、何度も紹介してきた宮崎駿さんの次の言葉と重なる。NHK『プロフェッショナル』(2013年11月13日)より。

「面倒くさいっていう自分の気持ちとの戦いなんだよ。何が面倒くさいって究極に面倒くさいよね」

「世の中の大事なことって、たいてい面倒くさいんだよ」


さらに、エディ―・ジョーンズ氏による他の言葉も載せておきたい。NHK『プロフェッショナル』(1月26日放送)より。

「日本の練習で一番間違っているのが、ミスをしないように練習することです。『ノーミス!ノーミス!』と叫んでいますが、ミスするから上達するのです」

こちらは、日本経済新聞(2014年3月15日)より。

「日本ではなぜそこまでというくらい、ネガティブな言い方が多いんですね。特にラグビーでは。いつも『ミスを犯さない』という言い方。これをうまくやれたらこうだねという前向きな話より、ネガティブな言い方の方が多い」

これは、ラグビーだけの話ではない。僕が経験した少年野球の指導現場も、まさにネガティブ・ワードが飛び交っていた。(2012年8月28日のブログなど)

サッカーの国際審判の西村雄一さんの言葉も重なる。雑誌『NUMBER』(2014年8月29日号)より。

「挑戦した上でミスするのは仕方がない。重要なのは『自分を信じて、果敢にゴールを狙うことだ』と言ってあげられる雰囲気が生まれてくれば、もっと実力を発揮できるようになるではないかと思います」 P61)

出る杭は徹底的に打たれ、犯したミスは徹底的に叩かれる…。

これはもちろんスポーツだけの話ではない。日本社会にこそ当てはまる指摘なんだと思う。

しかし、出る
杭によってもたらされる軋轢や、様々なミスから学んでいくことで、選手やチームは上達し、より強くなる。それをエディージャパンは証明してくれたのである。




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