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2016年6月の記事

2016年6月18日 (土)

「未来を変えるためには、今やることをやらないといけないんだなあと」

きのうテレビを見ていたら、ラグビーの五郎丸渉選手のコマーシャルが流れてきた。その中で次の言葉を口にした。(シチズンのCM より)

「未来を変えられると人は簡単に言う。でも違う。今を変えない限り、未来は変わらない」

「今を変えろ!」


この言葉を調べてみると、もともとは元日本代表のヘッドコーチ、 ジョン・カーワン氏が五郎丸選手に言った言葉のようである。スポーツニッポン(2015年10月13日)より。

「お前が変えないといけないのは、今だ。今を変えなければ、未来は変わらない」

アナウンサーの町亞聖さんも少し前に同じことを言っていた。文化放送『ゴールデンラジオ』(2月3日放送)より。

「みんなよく『未来を変えよう』って言うじゃないですか。だけど、変えられるのは未来じゃなくて今だけなんですよね。未来を変えるためには、今やることをやらないといけないんだなあと」

最近、未来」という言葉があふれている。まもなく始まる参議院選挙のキャッチコピーでも沢山使われるのだろう。

安倍総理は、今年1月の施政演説で「未来に挑戦する国会」と言い、「未来」という言葉を多用した。(『★前のめり社会』

しかし、世間に「未来、未来…」が溢れることで、「今」よりも「未来」が大事、そんな雰囲気が生まれていないか…。

でも、未来を変えるためには、今を変えなければいけない。

作家の赤川次郎さんが、今回選挙権を手にする19歳の若い世代に向けた言葉。東京新聞(6月12日)より。

「若い世代に言っておきたい。未来は変えられるのだ」

「既得権にあぐらをかいている大人たちに『NO!』を突きつけてあわてさせる。痛快じゃないか。さあ始めよう」


そう。今の政治家たちに「Yes」と「No」を突きつける。そうやって自分たちの「今」を変え、そして「未来」を変えていく。それが選挙。

マエキタミヤコさんの言葉。著書『原発をどうするか、みんなで決める』より。

「社会は可変です。なのに、『何をいっても無駄、変わらない』と思っている人がいかに多いことか。そう思っているから社会は変わらないのです。それはもったいないし、とても悔しいことです」 (P14)

おそらく“今を変える”というのは、“今の社会を変える”ということでもである。

しかしながら、である。日本の社会は「変えること」を避ける風潮が強い。そう思う。

心理学のアドラーの研究で知られる岸見一郎さんの指摘。文化放送『ゴールデンラジオ』(5月23日放送)より。

「変わるのが怖い。変われないのではなく、変わりたくない。これまでと違う生き方を選んだら、次の瞬間に何が起きるか予測できない。今までの自分の生き方がいかに不自由で不便であっても、次に何が起きるかを予想できた方が楽だと思う人は変える気を持つことができない」

予測することで安心する社会にいると、変えることが怖くなる。でも、それだと自分が望む「未来」は手に入らない。(『★予測社会』

思い切って一度、変えてみたら、新しい世界が次々に広がってくるのかもしれない。もうひとつ岸見さんの言葉。

「違う人生を選ぼうと思ったら、本当に崖っぷちに立っている感じ。目の前の道が見えなくなっている状態。怖いんですけど、その怖さを一度は乗り切らないといけない。一歩前に進んだら、次の一歩も踏み出せる。一度も前に踏み出したことがない人は、踏み出せない。決心するしかない」

思い切って今を変えていく。それを積み重ねていくことが重要なのではないか。

おととい日米通算ヒットの記録を打ち立てたイチロー選手による言葉。(NTT東日本のCM より)

「確かな一歩の積み重ねでしか、遠くへは行けない。通信の未来も確かな今日の積み重ねでつくられていく」

もともとのイチロー選手の言葉はこちらです。『夢をつかむ イチロー262のメッセージ』より。

「ちいさいことをかさねることが、とんでもないところに行くただひとつの道」 (P74)

私たちが自ら望むような「未来」にたどり着くためには、「今」を小さく変え続けていくしかない。そう思う。

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