「高等教育を受けていると、知識だけでなく、判断力と洞察力が豊かになる。危機に直面したときに国家や権威にだまされずに正しい選択をすることができる」
何となくだけど、前回のブログの続き。
人生は選択の連続。どうすれば、選ぶことに強くなれるのか。
作家の佐藤優さんの言葉。著書『右肩下がりの君たちへ』より。
「父も母も異口同音に『高等教育を受けていると、知識だけでなく、判断力と洞察力が豊かになる。危機に直面したときに国家や権威にだまされずに正しい選択をすることができる』と言っていた」 (P6)
目先のものにだまされず、ちゃんと選択するために知識を身に付ける。そのために教育がある。
かなり前にこのブログ(2011年10月12日) で紹介した埼玉県立浦和商業高校の教員、平野和弘さんの次の言葉とも重なる。
「自由を獲得するために教育はある」
教育は、そういうものなのである。しかし今の教育は、そうはなっていない。
作家の島田雅彦さんの指摘。著書『筋金入りのヘタレになれ』より。
「そもそも学問の習得は、奴隷状態の開放が一番の目標だった。ところがいまは教育機関が逆に奴隷養成の方向にシフトしてきた感にある」
奴隷…。
「選ぶ」ことをしない、できない人生を「奴隷」というのではないだろうか。
私たちは、気付くとどんな「選べない」人生を歩んでいるのではないか。
作家の高橋源一郎さんが聴いたサラリーマンの言葉。朝日新聞(7月13日)より。
「おれ、35年ローンで家を買ったんだ。一生奴隷が確定だ。あとは定年が来るのを待つだけ」
小島慶子さんの言葉。著書『不自由な男たち』より。
「住宅ローンというのは、本当にくびきで、経済的な奴隷になることですよね。35年ローンというおっそろしいものを、あまり今重大に考えないで組んでしまう。ローン、あれはすごい『呪い』じゃないかと思うんです」 (P39)
きっと住宅ローンだけでない…。自分がいつの間にか「奴隷」になっていないように、知性を身につけ、選ぶことに強くなる必要があるのだろう。