「歴史のお勉強をサボると、こういう惨事を招くんですね」
「八紘一宇」という言葉について。国会で、三原じゅん子議員が突如口にした。
森本毅郎さんは、今朝のTBSラジオ『スタンバイ』(3月20日放送)で次のように語っていた。
「これは苦い言葉なんですよ。どうしてもアジア侵略の正当化ということが頭を離れない」
「今、国会でこの言葉をなんの抵抗もなく使えたということにびっくりした」
そして、三原議員を含めた今の国会議員の「歴史認識」の問題だと指摘した。
静岡県立大名誉教授の前坂俊之さんは、次のように指摘する。朝日新聞(3月19日)より。
「八紘一宇は侵略のキーワードで、三原氏の質問は全く関係ない問題に『八紘一宇』を誤用した歴史無知の発言だ」
文芸評論家の斎藤美奈子さんの指摘。東京新聞(3月19日)より。
「会心の無恥」
「歴史のお勉強をサボると、こういう惨事を招くんですね」
こういったコメントを読んでいて、とある対談を思い出した。
楽天の三木谷浩史さんと、ドワンゴの夏野剛さんの対談。サイト『LOGMI』(3月2日) より。
三木谷 「次はちょっとプログラミング、日本国民のプログラミング力を上げるというプロジェクトを」
夏野 「賛成だな。僕はやっぱり中学くらいからやらせるべきだと思う。別に日本史なんか教えなくていいから」
日本史の授業について。
夏野 「意味ないよ」
三木谷 「僕、憶えなかったですよ」「歴史は苦手ですね」
夏野 「大河ドラマ見てればいいんですよ」
読んでいて、もう苦笑いしか出ない。まさに、こういう考え方をする人が増えた結果の、日本社会の「歴史無知」が広がったということなのだろう。これが「戦後70年」ということでもある。(2月17日のブログ)
今回の「八紘一宇」発言についての他に気になった指摘も並べておきたい。
経済学者の金子勝さん。自身のツイッター(3月17日)より。
「女性議員たちの極右ぶりが野放し。国民が慣れっこのなるのを待っているのか」
戦史研究家の山崎雅弘さん。自身のツイッター(3月17日)より。
「三原じゅん子議員の発言と、それに対する野党と大手メディアの無反応で、『八紘一宇』という語句は『日本の国会で使っても全然問題がない言葉』に認定された」
作家の冷泉彰彦さん。ブログ『プリンストン発 日本/アメリカ
新時代』(3月19日)より。
「戦後70周年の『追悼の年』に、与党議員から第2次世界大戦中に『大東亜共栄圏』拡大のスローガンに使用された言葉が抵抗感なく使われる、しかもそれが直ちに厳しい批判に晒されないというのは重大なことだと思います」
天木直人さん。サイト『BLOGOS』(3月19日)より。
「安倍首相がこの三原じゅん子を放置するならその歴史認識は同類だということだ。それほど深刻で言語道断な発言であるのに、誰も騒がない。この国は、政治家から国民まで、歴史に無知、無関心な、未来の見えない国だ」
今回の「八紘一宇」発言の背景には、いろいろな根の深い問題が転がっている。