「なんかね、日本中が集団登校・下校の状態ですね。不安だから集団に帰属したい。一人になりたくない」
きのうのブログ(12月23日) では、「同調圧力の強い社会では、批評の機能が弱まっている」とする映画監督の是枝裕和さんの言葉を紹介した。
今日は、そんな私たちの社会における「同調圧力」についての言葉を並べてみたい。
コラムニストの小田嶋隆さん。日経ビジネス・オンライン『ア・ピース・オブ・警句』(11月14日)より。
「私は、自分たちの国が、抜けられない同調が始まってしまった中学校の教室みたいになることを恐れている。考え過ぎだろうか」
作家の森達也さん。著書『死刑のある国ニッポン』より。
「なんかね、日本中が集団登校・下校の状態ですね。不安だから集団に帰属したい。一人になりたくない。集団と違う動きをする奴は、KYとか自己責任などの理由をつけて排除したい。それが、オウム以降のこの国の現状です」 (P154)
作家の奥田英朗さん。著書『田舎でロックンロール』より。
「わたしは基本的に学校が嫌いなのである。同じ服を着させられ、整列させられる、それだけのことに屈辱を覚え、反抗したくなる。自由を規制し、単一の価値観を植え付ける、そういった権力の支配を心から憎んでいる。だから、わたしとロックの相性のよさは必然と言えたのかもしれない。ロックがなかったら、わたしの十代はどうなっていたころやら」 (P224)
乙武洋匡さん。自身のツイッター(7月7日)より。
「幼少期から『みんなが同じ』であることを求められる日本では、異なる環境に対する適応力が育ちにくいように思う」
内田樹さん。著書『街場の共同体論』より。
「均質化がほんとうに進んでいる。子供の世界に強い同調圧力がかかっていて、かなり暴力的な仕方で均質化が行われている。少しでも個性的なものが出現してくると、その子がたちまちターゲットになる。抜きん出た人が出てくると、みんなで足を引っ張って、潰していく。全員を標準しなければならないという強い同調圧力が働いている」 (P64)
漫画家のヤマザキマリさん。著書『男性論』より。
「『空気を読む』という、もはや慣用句になった最近の言葉がありますが、いまほど周囲の人間との同調を求められる時代があったでしょうか。逆に言えば、『不寛容』が進んでいるともいえそうです。『自分もハジけずに我慢しているのだから、おまえがハジけるのも許さないぞ』と」 (P123)
私たちは、まず学校という場所で子どもの頃から「同調圧力」にならされる。社会に出ても、様々な「同調圧力」に疑問を持たず、飼いならされたように生きていく。
でも本来、学校というのはそういう場ではないはず。
最後に茂木健一郎さんの言葉。著書『「個」育て論』より。
「僕、間違ったシステムがあったとき、羊のように従順に従うのではなく、文句を言う人をつくるのが教育だと思うんです。そうじゃないと物事は良くならない」 (P38)